カフェで出てくる飲み物って、お水だけでもなんであんなに美味しいんだろう。
その秘密のひとつが、「氷」だと思うんです。
ほらね、氷ひとつで「おうち感」。
たかが氷と侮るなかれ。氷は結構、気分も味も左右します。
私がこの「氷」の違いを知るきっかけになったのが、神保町にある浅煎りコーヒーの名店「GLITH COFFEE ROASTERS」で頂いた高級アイスコーヒーでした。
1杯1000円。とんでもなく香りのいいコーヒーをドリップして、氷で急冷。冷やすために使った溶けかけの氷を全部除いて…グラスにからんと入ったのが、水晶玉のような大きくてまん丸な氷だったんです。
私にバーへ行く習慣があったら、「ウイスキーのオンザロックを頼んだときに出てくる氷」と表現したんでしょうが。すごく特別感があって、しかも普通の氷に比べて圧倒的に溶けにくい。美しさと機能性を兼ね揃えた氷にすっかり魅了されてしまって。
以来「水晶玉のような氷」に憧れを持つようになりました。
聞くところによると、バーテンダーはアイスピックで氷を削って丸くするそうで。素人が真似できる技ではないし、氷を丸くするモールドを使っても、家庭用の冷凍設備では真ん中に白いモヤがかかってしまう。
どうにかできないものか…と悩んでいたんですが、「水晶玉のような丸氷」は難しくても、「透明なロックアイス」なら意外と簡単に家でできることを知りまして。早速作ってみることにしました。
まずはお湯を沸かして、冷まし、冷凍庫に入れても大丈夫な容器に移します。一度沸騰させるのは、水道水に含まれる不純物である塩素や空気を除くためなんだそう。
冷凍庫に入れ、様子を見ながら全体の2/3が凍るまで冷やします。このタッパーの大きさで5時間くらい。
あ、凍らせすぎちゃった。
最後の1/3が凍り始めると、水の中に残っているミネラルなどが一緒に凍って、白濁してしまうのです。この直前くらいで止めてください。
いい具合に凍ったら、綿棒などで叩き割ればロックアイスの完成です。
ちょっと霜がついてわかりにくいですが、水晶のような大きくてきれいな氷ができます。
お気に入りのコップにアイスコーヒーを淹れて、大きなロックアイスをころんと1つ。
製氷皿で普通の作った氷とは、気分も味わいも大違いです。