「コーヒー豆の生産には、いまだに奴隷がいた時代の影響が色濃く残っているんです」
2023年2月16日、TOKYO FMの「サステナ*デイズ」。SLOW COFFEE 代表 小澤陽祐さんの言葉に、思わず聞き入っちゃいました。
コーヒーの起源はエチオピア。そこから奴隷貿易と共に世界へ広まり、黒人奴隷と共にブラジルに渡ってきました。そうしてコーヒーの大量生産が始まったわけなのですが、奴隷時代の低賃金・重労働の風習がいまだに残っているそうなんです。
オーガニックとかフェアトレードって「途上国の貧しい人を助けよう」的な、博愛と偽善がないまぜになったような感覚を持っていたんですが…。「現代までしぶとく残っている奴隷制度を取っ払おう」と言い換えると、なんだか印象が違ってくるような気がします。
SLOW COFFEEは2000年の創業当初から、オーガニック・フェアトレード・自家焙煎のコーヒーにこだわってきたコーヒーロースターです。普通のロースターは豆の種類をどんどん変えるところが多いものですが、SLOW COFFEEではずっと同じ豆を焙煎し続けているのだそう。
- メキシコ産
太陽と森の楽園コーヒー
中深煎り(ハイロースト)50g - 東ティモール産
いいっすよティモールコーヒー
中深煎り(ハイロースト)50g - エクアドル産
ちょっとすごいコーヒー
深煎り(フレンチロースト)50g - コロンビア産
ドン・ルイスさんのコーヒー ナチュラル製法
深煎り(フルシティロースト)50g
今回はこの4種類が入った「【送料無料メール便】おすすめコーヒー4ヶ国飲み比べセット」を購入しました。
SLOW COFFEEの看板商品は、こちらのエクアドル産「ちょっとすごいコーヒー」です。
SLOW COFFEEはオーガニックやフェアトレード以外にも、環境負荷の削減にも力を入れています。この「ちょっとすごいコーヒー」、コーヒー畑ではなく、なんとジャングルの中で生産されているそうなんです。
バナナやマンゴー、アボカドの木が茂るジャングルの中でコーヒーを作る「アグロ・フォレストリー」と呼ばれる農法。森を切り開くことなくコーヒーを生産することで、土砂崩れを防いだり、周りの木の落ち葉や寄ってくる鳥のフンが肥料になったり、単一栽培で起こりがちな害虫の大発生を防いだりする効果があるそうです。コーヒーの木自体も、ちょっと日陰になった環境の方が生育に適しているそうで。
効率化という面では「コーヒー畑」に劣ってしまうものの、それ以上に良い効果がたくさんあるのだそうです。
私が好きなのは「ドン・ルイスさんのコーヒー(ナチュラル)」。パッケージに描かれたドン・ルイスさんが「PUN PUN AROMA♪」と吹き出しで言っているんですが、本当に「プンプンアロマ」です。
コーヒーには、コーヒーの果肉を洗い流してから乾燥させる「ウォッシュド製法」と、コーヒーを乾燥させてから果皮を剥がす「ナチュラル製法」があります。ナチュラル製法にすると、発酵した果実特有の芳香がコーヒーにつくのですが、これが並のコーヒーの比じゃない!
「フルーティーなコーヒー」といえば、一般的には浅煎りのものが多いです。深煎りにしてしまうと、焦がす過程で香りが飛んでしまうから…なのですが、このドン・ルイスさんのコーヒーは香りが全然飛んでない!思いっきり深煎りなんですが、ベリーとワインを混ぜたような芳香がガッツリ残っているんです。香水を飲んでるみたい。
なんでも、果実が発酵するときのプロセスに秘密があるそうなのですが…。「その土地の酵母を使っている」他は、企業秘密なのだそうです。不思議すぎる。
紹介しきれませんでしたが、メキシコの「太陽と森のコーヒー」、東ティモールの「いいっすよティモール」も、それぞれ物語を持っているコーヒーです。普通のコーヒーショップで扱われるコーヒーは、問屋から「生豆を仕入れるだけ」ところが多いもの。その裏にある生産者の思いまで一緒にいただけるショップは、それほど多くありません。
地球の裏側、エクアドルやコロンビアに思いを馳せつつ。「オーガニック」「フェアトレード」の概念を変えてくれる不思議なコーヒーです。
http://slowslowslow.com/